本コラムでは「バッカルファット除去」について美容外科専門医が詳しく解説しております。バッカルファットとは頬の深部にある脂肪の塊のことで、年齢とともに下垂してタルミの原因になってしまいます。丸顔が気になる人や、「よく口の中を噛んでしまう」という人はバッカルファット除去がおすすめです。気になる方は是非ご一読ください!
はじめに:バッカルファットとは?
もしかすると美容に詳しい人はバッカルファットをご存知かもしれませんが、当院のご来院者様は初めて美容医療に触れる方も多くいらっしゃいますので、まずバッカルファットについて説明させていただきます。
はじめに、顔の脂肪は皮膚表面から見て皮膚のすぐ下に分布する「皮下脂肪」ともっと深い場所に位置する「深部脂肪」に分類できます。顔の脂肪で有名なのは、口横のもたつきの原因となる【ジョールファット】(ブルドッグのように垂れ下がってくる脂肪です)や、ほうれい線に乗っかるように存在する【ナゾラビアルファット】、頬上部に分布する【メーラーファット】などがあります。実はこれらは別々の名前がついていますがどれも「皮下脂肪」です。二重顎の原因となる顎下の脂肪も同じように皮下脂肪です。
これらに対して、【バッカルファット】は「深部脂肪」に分類されます。皮膚のすぐ下ではなく、もっと深くにあり、咬筋などの筋肉よりも深い位置です!顔の深部脂肪は他にも眼球周囲に存在する【眼窩脂肪】などがあります。
皮下脂肪は皮膚や筋膜とある程度強固にくっついています。ですので皮下脂肪を除去するには、シリンジや吸引機などの機械を用いて強い吸引圧をかけて吸い出すか、ハサミやメスを用いて鋭的に切除する必要があります。それに対して深部脂肪は薄い被膜に包まれているだけで、周囲の組織とはくっついていません。ですので脂肪周囲を取り囲む膜さえ破ってしまえば、軽く引っ張るだけで除去することができます(というより、深部脂肪の周囲には重要な筋肉や神経、脈管(血管やリンパ管、耳下腺管など)があるため、皮下脂肪と同じように脂肪吸引なんかしては大変なことになってしまいます)。
バッカルファットは図のように口腔内を数mm切開するだけで除去することが可能です。
どんな方にバッカルファット除去がおすすめ?
バッカルファット除去は主に顔を小さくしたいという方におすすめできる施術です。具体的には「頬の脂肪が気になり、フェイスラインをシャープにしたい方」、「ダイエットやエクササイズでも頬の脂肪が落ちない方」、「小顔になりたいが、自然な仕上がりを求める方」「加齢に伴って顔のたるみやふっくら感が気になる方」、「体は痩せているのに、顔の脂肪だけはなかなか落ちない方」などです。
上記のように見た目の変化を希望する方の他にも「口の中をよく噛んでしまう」という方にも最適です。バッカルファットを除去すると口腔粘膜の口内への張り出しが明らかに減るため、ほとんどの方は口の中を噛んでしまう頻度が減ります。
またバッカルファットは年齢とともに下垂してくることが分かっているため、若いうちに適量除去しておくことで、将来のたるみの予防につながります。これが本コラムタイトルにある「将来への投資」と言われる理由です。
バッカルファット除去のメリットと効果
バッカルファット除去には様々なメリットがありますが、メインは以下の4つです。
①小顔効果
バッカルファットはこめかみ〜口横まで広く分布する脂肪です。こめかみ部分のバッカルファットはあまり輪郭には影響しませんが、口横部分は頬の丸みを構成しています。そのため口横部分のバッカルファットを適量除去することによって輪郭がすっきりして小顔になります。
②たるみの予防効果がある
バッカルファットは加齢とともに下垂してくることが分かっています。つまりたるみの少ない時期に切除しておくことで、将来のたるみを軽減することができます。
③後戻りのない半永久的な効果
バッカルファット除去では脂肪細胞の数そのものが減るので、ダイエットなどと違い基本的にリバウンドすることはありません。また、太ってしまった際も、バッカルファットを除去した頬の部分は膨らみづらくなります。
④他の脂肪吸引と違い皮膚に傷ができないため周囲に手術したことが気づかれにくい
顔の脂肪吸引は耳たぶの下や、口角、アゴなどに傷ができてしまいます。もちろんある程度は目立たなくなりますが、時間が経っても完全に傷が消えることはありません。バッカルファット除去では口内を5mm〜1cm弱ほど切りますが、他人からは見えない位置ですし、粘膜ですので傷はほぼ判らないくらい綺麗に治ります。口の中を間違って噛んでしまっても、綺麗に傷が治るのと同じです。
バッカルファット除去のデメリットや注意点
①皮膚のタルミが取れるわけではない
バッカルファットはあくまで「脂肪のかたまりを取るだけ」の手術です。既に存在する皮膚のタルミが改善するわけではありません。皮膚のたるみも同時に切除したい場合はフェイスリフトなどの別の処置を組み合わせることが可能です。
②取りすぎてしまうと頬がこける
平均的な方で「鶏卵の卵黄より少し小さいくらい」の除去が適切だと言われています。もちろんある程度の個人差がありますので、これまでの医師の経験に基づきお一人おひとりに合った量を切除していきます。
③頻度は少ないがリスクがある
過去、他院での手術後に血腫、感染、耳下腺管損傷、顔面神経麻痺が起こったとの報告が確認されています。ただしいずれの合併症も起こる可能性は少なく、丁寧な手術操作で防ぐことのできる合併症ですのでご安心ください。
当院でのバッカルファット除去の施術の流れ
①カウンセリング・診察
まずカウンセラーからお悩みについて聞かせていただき、その後医師との診察・詳しい施術についての説明があります。
②お会計
施術に納得していただきましたら、お会計となります。手術後に金額が変動しないよう前払い制となっておりますので安心です。また余計なアップセルは決してありません。
③消毒・麻酔
消毒液を用いて口腔内を清浄し、お顔の消毒を行います。その後局所麻酔の注射を行います。
④施術
施術時間は30分程度となります。もちろん麻酔が効いているので手術は無痛です。
⑤ご帰宅
施術後、医師が出血等の問題がないことを確認した後にご帰宅となります。ご来院からご帰宅まではスムーズに行けば1時間半程度となります(ご予約状況や手術時間により多少変動いたします)
実際の症例紹介
ここからは当院でバッカルファット除去を実際に行った方の写真をご紹介致します。
①30代女性
手術前後を比較すると、とても輪郭がすっきりしたのが分かります(照明や背景が違っており申し訳ございません、、、)。見た目の変化はもちろんのこと、「手術してから口の中を噛まなくなった!」というお言葉をいただきました。
②20代女性