目次
はじめに
目の下のクマに悩む方は多いですよね。実際、当院にご来院される方のお悩みでトップクラスに多いのが「目の下のクマ」に関してです。。クマがあるだけで顔全体が疲れて寝不足に見えたり、実年齢よりも老けて見えたりします。そんなクマによって、毎日のメイクが大変だったり、自信を失ってしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方々の強い味方となるのが、「ハムラ法」という目の下の美容医療です。ハムラ法によって目の下のクマを根本から解消し、自然で若々しい目元を取り戻すことができます。
この記事では、「ハムラ法」の具体的な手術プロセスや利点、実際の治療例について詳しくご紹介します。クマに悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みいただき、明るく若々しい目元を手に入れる一歩を踏み出してください!
目の下のクマの原因
「クマ」と一言でいっても実は様々な原因が積み重なった上で存在しています。このコラムではその原因を分かりやすく4つに分類したいと思います。
上のモニター様の写真を例に解説していきます。
分かりやすくするために補助線を引いたものが下の写真になります。
①膨らみ(写真の赤色で囲った部分)
まずひとつめの原因は「眼窩脂肪の突出」による膨らみです。年配の方だと大きく目の下が膨らんでいる方も多いです。この眼窩脂肪はクマの主要な原因のため、美容外科医からは忌み嫌われがち(ある大手美容クリニックではこの脂肪を根こそぎ取っている動画をSNS等で配信しています….)ですが、眼球を衝撃から守る緩衝材としての機能を持っていたり、眼球の位置を安定させるのに不可欠な役割を担っているためなくてはならない大事な脂肪なのです。
以下は目の下が膨らんでいない状態の正常な構造を簡単に描いた図です。
加齢により眼窩脂肪が突出してしまうメカニズムですが、一言で書いてしまえば眼窩脂肪の周りにある組織の「緩み」です。それだけだとあまりにも味気ないので詳しく書きますと、まず眼球の下に存在するロックウッド靭帯というハンモック状の構造物が加齢とともに緩みます。そうすると眼球の重みで眼窩脂肪が上から押し潰される状態になります。眼窩脂肪は眼窩隔膜という膜状の組織に取り囲まれています。またその前面には、瞼を閉じるときに働く薄い膜状の筋肉である眼輪筋、さらに表面には皮膚が存在します。加齢とともに、眼窩隔膜、眼輪筋、皮膚の全てに緩みが生じます。その結果、押し潰された眼窩脂肪が前面に飛び出てくるのです。内容物が圧迫により突出している状態ですので、ヘルニアと呼べるでしょう。ヘルニアといえば、臍ヘルニア(でべそ)、鼠径ヘルニア(脱腸)、椎間板ヘルニアなどが有名ですので、聞いたことがある人も多いと思います。図を用いて説明すると以下のようになります。
②凹み(写真の青色斜線部分)
クマというと膨らみを想像する方は多いと思いますが、膨らみの下をよく見ると凹んで見える方も多いです。ここの凹みをnasojugal groove(鼻頬溝)やtear trough(ティアトラフ:涙の流れる溝)と医学的には呼びます。
この凹みの正体は何かといいますと、靭帯と眼輪筋の一部が、皮膚と骨(上顎骨と頬骨)を強固に繋ぎ止めているために起こる凹みなのです。皮膚の骨が強力にくっついている部分は年齢を重ねてもタルミが起きません。しかしその上下の部分はタルミが出てくるため、組織が撓(たわ)んで膨らみます。その結果、皮膚と骨が強力に接着している部分のみが線状に凹んで見えるというわけです。
③皮膚のタルミ、小シワ(写真の黄色で囲った部分)
皮膚のタルミは目の下だけに限ったことではなく、加齢とともに全身で起こります。これは誰しもが、実体験や周囲の年配の方を見ることで容易に想像がつくことと思います。
④皮膚の色味
皮膚の色味には大きく分けて2種類あります。
ひとつが皮膚のすぐ裏に存在する眼輪筋が透けて赤黒く(人によっては青紫色に)透けて見えてしまうことです。実は目の下の皮膚というのは、全身の皮膚の中でも最も薄いと言われており、わずか0.5mmほどしかありません。しかも目の下にはほとんど皮下脂肪が存在しないため筋肉が透けてしまうのです。
ふたつめは皮膚そのものの色素沈着です。分かりやすく書くと「シミ・くすみ」です。目の下の皮膚はとても敏感で色素沈着をとても起こしやすい部位なのです。当院ではシミ治療のために顔のレーザー照射もたくさん行なっておりますが、目の下は炎症後色素沈着(PIH)が他の部位に比べてかなり起こりやすい部位です。また、まつ毛の美容液を使用する際に、皮膚が黒っぽく変色してしまった経験のある方もいらっしゃるかと思います。あれも色素沈着が起こっているからなのです。
ハムラ法とは!?
以上のように様々な原因のある“クマ”ですが、それを一度に解決する(正直に書くと色味の改善はなかなか難しいのですが)革命的な手術方法が「ハムラ法」なのです。ここからはハムラ法の手術プロセスを簡単にご紹介します。
①麻酔:局所麻酔で行う施設がほとんどかと思います。理由としては術中に目を開けた状態での仕上がりの微調整を行うことが可能だからです。眠った状態ですと最終的な仕上がりの予測が困難になってしまいます。
②皮膚切開:麻酔が終わるといよいよ手術開始となります。まつ毛の生え際ギリギリの部分を目頭〜目尻の角(外眼角)を少し超えたところまで切開します。ハムラ法の良いところとして余分なタルミが出てしまった皮膚を切除できることがあります。と言っても皮膚をとりすぎると外反(あっかんべーしたようなイメージ)のリスクがあるため、せいぜい3~5mm程度になることが多いです。もちろん皮膚のたるみ具合によってはもっと皮膚を切除することもあります。傷はまつ毛の生え際にくるので術後から「意外に目立たず、外出も普通にできた!」と患者様に言っていただけることもあります。傷は術後2か月程度は赤みがあるのですが、3か月くらいすると赤みが消失し、びっくりするくらい目立たなくなります。
③剥離:皮膚切開が終わると眼輪筋の下(眼窩隔膜の上)を剥離していきます。眼窩隔膜と骨の眼窩縁との境目(arcus marginalis)が内側から外側まで肉眼で確認できるまでしっかりと剥離を行います。そこまで剥離が終わったら、いよいよ凹みの原因となっている眼輪筋の一部と靭帯組織を骨から剥がしていきます。ここは出血が起こりやすい作業なのでひたすら丁寧に剥離・止血を行います。また眼窩脂肪や眼窩隔膜を下方に移動させて固定するための縫い代を作るために、骨膜状を広く剥離していきます。ここでは眼窩下神経という大事な神経が近くを通っているので傷つけないように細心の注意を払いながら行います。
④眼窩脂肪の再配置:この工程が間違いなくハムラ法のハイライトと言えるでしょう。眼窩隔膜をarcus marginalis付近で広く横切開して眼窩脂肪をフリーの状態にします。そしてその脂肪を凹みの下に移動させるのです。ここで、「凹みの原因となっている筋肉や靭帯は前の工程で剥がしているから、凹みは無くなっているんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、多くの場合はボリュームが足りていないので、凹んだままなのです。ですので足りないボリュームを眼窩脂肪を移動させて補っていきます。ここでは注意するポイントが2つあります。1つめは、脂肪だけでなく眼窩隔膜(脂肪を包んでいた膜状の組織)も一緒に下方に固定します。これになんの意味があるかというと、眼窩隔膜をピーンと張らせた状態にすることで、眼窩脂肪が再度突出してくることを防ぐことができます。例えばハムラ法と違い単純な脱脂術の場合は、「突出している内容物を取り出す」手術です。対してハムラ法の場合は、「内容物は下にちょっとだけ移動させて、残りは前に飛び出てこないように蓋をする」なのです。イメージとしては眼窩脂肪の前に硬い壁を作るような感じでしょうか。
⑤眼輪筋の吊り上げ:この工程は人によって行わないこともあります。下瞼の強度が弱い方の場合はこの工程を行なった方が外反リスクを減らすことができるため適宜行います。
⑥縫合:最後は傷を丁寧に縫合して手術を終了します。
一般的なクマ取り(経結膜脱脂術)との違いは?
正直に申し上げてハムラ法は美容外科手術の中でも繊細な技術を要し、難易度の高い手術です。ですので3大手美容外科チェーンのうち2チェーンではハムラ法を行なっておりません。この理由はシンプルで手術が難しいから、の一言に尽きます。もう1チェーンではメニューにハムラ法がありますが、行なっているのはごくごく一部の医師に限られているようです。
ハムラ法の代わりに多く行われている術式が「経結膜脱脂術」です。漢字は難しそうですが、とてもシンプルな手術で瞼の裏側を切開して眼窩脂肪を引っ張って切り取るだけです。この方法ですと、できる医師も多く、ほとんどの美容外科で行われている術式になります。もちろん当院でも行なっております。
経結膜脱脂は手術時間が短い(慣れた医師だと20分程度)ことと組織へのダメージが少ないためダウンタイムが短く済むのがメリットと言えるでしょう。反面、脂肪をどのくらい取ったら良いかと目安を掴むまでには経験が必要になります。最近よくTikTokなどのSNSで流れているクマ取り動画では、取った脂肪をたくさん並べている動画がありますが、あれは明らかに取りすぎです。眼窩脂肪は取りすぎると、目の下が窪んで見えてしまうだけでなく、最悪の場合だと眼球の位置がズレてしまって物が二重に見える(複視)といった後遺症を報告があるの注意が必要です。
経結膜脱脂には最大の弱点があります。それは「凹みの改善は全くできない」ということです。ハムラ法のように筋肉や靭帯組織を骨から剥がすということができないからです。そこで凹みを改善するために、脂肪注入を行なっているクリニックも多いです。
では、「ハムラ法 VS 脱脂+脂肪注入 」だとどちらが良いのでしょうか。次の項目で解説します。
【ハムラ法】と【脱脂+脂肪注入】だと笑顔に差が出る!?
【ハムラ法】と【脱脂+脂肪注入】を無表情の時だとあまり差が出ません。しかし私は笑顔を作った際に差が出ると感じています。その原因は凹みの原因となっている筋肉と靭帯の処理方法の違いによるものです。ハムラ法の場合は凹みの原因を骨から剥がして処理しています。脱脂+脂肪注入はその処理を行わずに、凹んでいる部分に脂肪を注入して盛り上げているだけです。
ですので脱脂+脂肪注入の場合だと、笑った時に眼輪筋によって皮膚が引き込まれて凹みが目立ってしまうことが多いです。また脂肪注入の場合ですと、定着率や仕上がりの予測が難しいため、注入した脂肪がシコリになって笑った時にぷっくりと表面に浮いて目立ってしまうことがあるのです。
また眼窩脂肪は注入物として使用するにはあまり向いていないため、太もも内側や腹部から脂肪吸引する必要があります。脂肪吸引部の痛みや体に傷跡が残ってしまうことも脂肪注入のデメリットと言えるでしょう。
以上のことから私は、「現状、ハムラ法がクマに対する最高の改善策」だと思っております。
ハムラ法についてよくある質問
ここからは、実際の診療でハムラ法についてよくある質問をQ &A形式でお答えしていきます。
Q1:ダウンタイムについて教えてください。
A1:痛みは2~3日程度、内出血は2~3週間程度です。術後1週間程度(最短5日程度)で抜糸をします。抜糸の翌日からアイメイク可能です。拘縮と呼ばれる、手術した部分が硬くなる変化が術後3~6ヵ月ほど続きます。またその際に軽度外反(あっかんべーしたような状態)になることがあります。
Q2:術後のテーピングは必要?
A2:内出血を最小限にするために術後3日間のテーピングをおすすめしています。
Q3:目の下を切開すると涙袋が消える!?
A3:他院で目の下の切開手術を行なってから涙袋が消えたという相談は確かに多いです。涙袋の正体は眼輪筋です。当院では眼輪筋は温存しますので、涙袋は残ります。
症例写真を大公開!
当院でハムラ法の手術を受けられた方の写真です。
手術前は目の下のふくらみと凹みが両方目立っている方でした。ハムラ法術後は目の下がフラットになり、疲れた印象が改善しています。またまつ毛の生え際の眼輪筋をしっかり残すことにより涙袋もしっかり残っています。突出していた眼窩脂肪の一部を眼窩内に戻していますので、目の上の凹みも改善しています。
目の下のぶよぶよした感じのたるみが綺麗になくなっており、フラットな目の下になっています。ハムラ法はとても満足度の高い手術になります。
目の下の膨らみと凹みが両方とも強い方にとって、ハムラ法は現状、最適解だと考えています。
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番外編:こんなハムラ法には注意が必要!!
最後に注意してほしいハムラ法について簡単に記しておきます。実はハムラ法という手術は術者によってかなり差が出る手術です。「靭帯を骨から剥がして、眼窩脂肪を再配置する」と文章で書くのは簡単ですが、実際の手術となると繊細の手技が要求されますし。出血が起こりやすい部分でもあり、損傷しないように気を付けるべき神経や筋肉がたくさん存在する部位でもあります。
私がここで注意喚起したいのは、「眼窩脂肪を摘出したり、脂肪注入を一緒に行うハムラ法」です!
ハムラ法という手術は、眼窩脂肪を凹み部分に移動させる手術です。例外的に、眼窩脂肪量がとても多かったり左右差のある症例ではごく少量の眼窩脂肪を摘出しますが、基本的には眼窩脂肪は除去しません。また脂肪注入を行うと、靭帯や眼輪筋の処理を行わずに凹みを埋めることができてしまうため、ハムラ法の一番難しい工程のごまかしができてしまうのです。こういったいわゆる偽ハムラでは、笑顔や表情を作った時に不自然な仕上がりになってしまうことがあるため十分注意しましょう。カウンセリング時に、脂肪注入との同時施術が必須と言われたり、初めから脂肪を除去すること前提の説明を受けたら、かなり怪しいです。少しでも不審な点があればすぐに手術を受けずに熟考していただくことをおすすめします。
最後に
私は日本美容外科学会認定の美容外科専門医を取得しており、ハムラ法の手術経験も豊富ですので、ご興味を持って頂いた方はぜひ当院へご来院いただければと思います。
このコラムを読んでくださった方限定で、ハムラ法【定価77万円(税込)】、【モニター価格55万円(税込)】のところ、
なんと44万円(税込)でご提供させていただきます!ご予約時に「ハムラ法のコラムを読んだ」とお伝えください!
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