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眼瞼下垂で忘れちゃいけない「ヘリングの法則」とは!?美容外科医が解説
眼瞼下垂で忘れちゃいけない「ヘリングの法則」とは!?美容外科医が解説
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こんなお悩みありませんか?

・視界の違和感や目の疲れ(眼精疲労)がひどい

・目を開くときに、眉毛が上がり、額にシワができる

・日頃から頭痛や肩こりに悩んでいる

・他人から「疲れてる?」や「眠たそう」とよく言われる

・まぶたが凹んできたり、昔と比べて二重のラインが幅広く変わった。

上記の症状に思い当たる項目がある方は、もしかしたら眼瞼下垂かもしれません。

本コラムでは眼瞼下垂の治療をする際に必ず頭に入れておかねばならない「ヘリングの法則(ヘリング現象ともいう)」について詳しく解説します。ぜひあなたの眼瞼下垂の治療やカウンセリングの際にお役立て下さい!

(本コラムでは眼瞼下垂についての詳しい説明は割愛しますが、以下のコラムも併せてお読みいただくと理解がより深まると思います)

※↑画像をクリックするとコラムが読めます。

ヘリングの法則とは!?

ヘリングの法則を一言でまとめると、【右側のまぶたの開きを良くすると、左側の開きが悪くなる】という現象のことです。以下でできるだけ分かりやすく説明したいと思いますので、ゆっくり読んでいただければ幸いです。

この現象は「目を開く」という命令を出している脳の働きによっておきます。目を開く場合、片方だけを大きく開けることは難しく、両方を等しく開く動きしか基本的にはできません。これはどういうことか言うと、右側の眼瞼挙筋(まぶたを開く筋肉)を強くすると、脳は「両眼とも開きが良くなった」と勘違いを起こして、まぶたを開かせる信号の強度が弱くなります。その結果、左側の開きは元の状態よりも弱くなってしまうのです!

 

このヘリングの法則はとても厄介で個人差あるため、実際に手術してみないとどれくらい開瞼が変化するかの術前予想ができません。そのため、左右どちらかしか眼瞼下垂の症状が出ていなくても、両側とも手術して左右の開き具合を調整しなければいけないことがほとんどです。

ヘリング現象が引き起こす二次的な問題と治療法

眼瞼下垂とヘリング現象が組み合わさると、以下のような問題が生じる可能性があります。

  • 左右の目の高さが違って見えるため、不自然な顔の印象になる
  • 視界のバランスが崩れ、無意識のうちに首を傾けたり、片側の目を使いすぎたりすることで首こりや肩こりが悪化する
  • 慢性的な目の疲れ(眼精疲労)やドライアイのリスクが高まる
  • 脳が無意識に過剰な補正を続けるため、ストレスが増し、頭痛や倦怠感の原因になる

治療法

ヘリングの法則が生じているような眼瞼下垂では、治療法としては基本的に手術を行うことがほとんどです。皮膚切開を伴う眼瞼挙筋前転術が最も効果的です。軽度の眼瞼下垂の場合、皮膚切開を行わずに瞼の裏側からミュラー筋・眼瞼挙筋腱膜をタッキングする切らない眼瞼下垂も効果的ですが、手術できる医師が少ない現実があります。

この症例写真のような方は特に注意

下の写真の方は左眼(向かって右側)の眼瞼下垂の方です。右も少し下垂がありますが、左の方がより重症の眼瞼下垂です。パッと見た感じそこまでまぶたの開き具合に差があるようには見えないかもしれませんが、それは代償機能が働いているからです。左側では額にある「前頭筋」が働いているため、写真のような左右差が出ています。

この方に「左だけの眼瞼下垂の手術」を行なってしまうと、前述したヘリングの法則が出てしまうので、開きが比較的良かった右の開きが悪化してしまうのです!

眼瞼下垂手術を全身麻酔で行うクリニックには注意が必要!

眼瞼下垂の手術は、手術中に何度も患者さんに開瞼してもらいながら目の開き具合や左右差の調整を何度も行うことが必須です。

ちなみに私の場合ですと、

①眼瞼挙筋腱膜や瞼板周囲の処置を一通り終えて挙筋腱膜を前転する直前

②片側の挙筋腱膜を前転して瞼板に固定した後

③対側の挙筋腱膜を前転して瞼板に固定した後

④重瞼固定が終わった後

⑤皮膚縫合が終わった後

以上の最低5回は確認します。あくまでこれは最低なので、実際のオペではこの2~3倍は確認していると思います。それほど眼瞼下垂手術における左右差調整はシビアな世界なのです。

ところが、先日ある美容アカウントの人が書いたXの投稿を読んでいてビックリしたのですが、どうやら眼瞼下垂の手術を全身麻酔(つまり眠った状態で!)行う美容クリニックがあるみたいなのです。これはつまり、執刀医が「俺は手術中に目の開き具合や左右差の調整はしないよ。手術が終わって目を覚ましてからのお楽しみさ!」と言われているのと同義なのです。

もし私自身が眼瞼下垂の手術を受ける立場になったら、全身麻酔で行うと執刀医に言われた瞬間に逃げ帰る自信があります(笑)

左右差のある眼瞼下垂の症例を公開!

先ほど出てきた左右差のある眼瞼下垂の方の症例写真が以下になります。

術後は眉の位置が揃って目の開きが良くなっているのが一目瞭然です。また二重ラインの食い込みが強くなって、額のシワも劇的に改善しているため、見た目がとっても若々しくなっているのがお分かりいただけるかと思います。さらに眼瞼下垂の手術を行うと、瞼の開きが良くなって見た目が若返るだけではなく、頭痛・肩こりが軽くなるといった嬉しい効果もあります。

ちなみにこの手術の際もヘリングの法則によって、左の開きを良くした直後に右の開きが悪くなりましたので、右も挙筋腱膜前転という手技を加えて開き具合の調整を細かく行なっております。こういった調整は患者様が眠った状態で行う全身麻酔下では、どんな名医でも絶対に無理なのです。

他にもたくさん眼瞼下垂の症例を公開しておりますので、以下のボタンをクリックして是非見てみてください。

他の症例はこちら

まとめ:このコラムで言いたいことは2つ!

①眼瞼下垂の症状が左右どちらか片方しか出ていなくても、ヘリングの法則という厄介な現象が起きるので両眼の手術が必要になることが多い。

②眼瞼下垂の手術は、術中に患者様に開瞼してもらいながら細かく微調整する必要があるため、全身麻酔での手術は絶対におすすめしない。

以上となります。

浦和・さいたま市で眼瞼下垂手術ができる美容クリニックをお探しの方へ

最後までコラムを読んでいただきありがとうございました!

当院ではたくさんの方の眼瞼下垂症に対する手術を行なっており、豊富な症例数がございます。当院の眼瞼下垂手術は、ご年齢や症状の強さに応じて皮膚切開をする眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転術)や切らない眼瞼下垂(経結膜的挙筋腱膜タッキング)を選択できる数少ない美容クリニックとなっております。院長の今村医師は美容外科専門医を取得しており、全国からたくさんの患者様の手術に日々全力で執刀しております。

瞼の重たさに悩んでいる方は、ぜひ一度当院での無料カウンセリングを受けてみてください。あなたのご希望に寄り添う最適なプランを提案いたします。当院は浦和駅近くにあり、さいたま市内や東京都内の主要駅からのアクセスも便利です。

 

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BRIGHTS beauty clinic【ブライツ美容クリニック】
tel:048-767-5900
住所:埼玉県さいたま市浦和区仲町1丁目4−12 Crobis浦和 5F
院長:今村直樹【美容外科専門医】
診療時間:10時〜19時
休診日:不定休(土日祝日も診療しております)
駐車場はございません。近隣のコインパーキングをお使いいただくか公共交通機関をご利用ください。

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